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【雑談】もう肉じゃがは生まれない

5,6年くらい前、当時勤めていた会社において毎週ある曜日の昼休みに「スピーチ」という行事があった。


中には面白い事を言う社員もいたが基本的には対して面白く無く、いつも半分上の空で聞いていたのだが、ある日の重役がスピーチをすることになり、いつも通り適当に聞いてやり過ごそうと思っていたが、そのスピーチの内容がとても考えさせられるものであったので紹介します。

 

重役が話す所には、

「現在インターネットが普及して、何か調べたいことがある場合すぐにインターネットを使って調べられるとても便利な世の中になった。」

「確かに便利なのは結構なことだが、もう「肉じゃが」が生まれない世の中になってしまった、とても残念だ」

と嘆いていた。


この言葉の意味について、重役が説明してくれた。
その内容というのが下記である。

 

肉じゃがが生まれたのは明治時代だが、その誕生には軍人「東郷平八郎」が関わっていた。


東郷平八郎は日露戦争における「日本海海戦」で帝政ロシアが誇る「バルチック艦隊」と戦い日本を大勝利に導いた軍人だが、彼がかつてイギリスに留学していた時に「ビーフシチュー」を食べ、その味にとても感動したとのこと。


日本に帰ってきた東郷はビーフシチューがまた食べたいと、料理人にビーフシチューについて熱く語り、作らせようとする。


入っている具材や味、形状など、東郷から聞いたいろいろな手がかりを基にし、料理人が試行錯誤して作った料理が肉じゃがであった。


肉じゃがはビーフシチューでは無かったが、その味はとても美味しく、現在でも家庭料理の日本代表を務めている。


しかし、もし当時インターネットが普及していたならば、ビーフシチューの作り方を容易く見つけ出し、再現ができるため(デミグラスソースがあるかどうかなどの難しい問題は考慮しない)、肉じゃがが新しく生まれることは無かった。


そしてインターネットが普及している現在、新しい「肉じゃが」が生まれることはない。

 

ということだ。

 

答えが分からないが故に人は考え、出来うる範囲内で最大限答えに近づけようと試みてきた。


インターネットの普及は便利さと引き換えに、「試行錯誤による偶然の産物」が出現する機会を人から奪ってしまっているのである。

 

肉じゃがの話は終わりますが、東郷平八郎については、「万国法」に基づいて清国軍が乗ったイギリス船を沈める判断をしたり、日本海海戦の際に「Z旗」を掲げたことなど様々なエピソードがあるので、それはおいおい紹介したいと思います( ゚∀゚)