A CAT'S EDEN

ゲームなどの趣味や、役立ちそうなお知らせなど

【落語】寿限無

今回は落語「寿限無」のお話ですヽ(・∀・ )ノ

落語の内容は聞いたことなくても、「じゅげむじゅげむ~」という呪文みたいな言葉の名前のくだりがあるということはご存知かと思います。

有名な一席ですね。

この落語はサゲ(オチ)が地方によって変わったり、噺家さんによって変えられたりもしています。

今回も私がオリジナルのサゲを乗せたものを紹介です(面白いかどうかはわかりませんが)。

ほかにもいろいろ変えたりしています。 ふつうの話が知りたいって人は別途検索してみてください(´▽`)

 

八五郎

「ご隠居さん、いるかい」

 

ご隠居

「おや八っつぁん、久しぶりだねぇ、あがっておくれ」

 

八五郎

「今日はちょっとお願えがあって来たんですがね」

「この前うちのカカアがガキを1匹おっぽり出しましてね、今日が初七日だかなんだかって事で、ガキに名前を付けなきゃいけねえんです」

 

ご隠居

「おやおや、それは初七日じゃなくてお七夜って言うんだが、おめでたい話じゃないか、お前さんも人の親になったんだねぇ」

「一体どんな名前にしようと思っているんだい?」

 

八五郎

「それがですね、考えたって「八六郎」くれえしか思いつかねえで、「俺にいい名前なんて分かりっこねえ」なんてカカアに言ったら、カカアは「それじゃあ、ご隠居さんに付けてもらったら」なんて言いやがるんですよ」

「なんでもご隠居さんは無駄に長く生きている訳じゃなくて物を色々と知ってるからね、少し煽てりゃ馬鹿だから機嫌が良くなって喜んでいい名前を付けてくれるって、そう言うもんで、こうしてご隠居さんのとこに来たんですよ」

 

ご隠居

「ずいぶんとご挨拶じゃないか」

「まあお前さんの嘘を付かない所、私は好きだし、気を悪くはしないがね」

「それにお前さんの子供の名付け親に私を選んでくれたということだ、嬉しいじゃないか」

「それで男子と女子どちらだい?どんな子に育てたいんだい?」

 

八五郎

「男のガキなんすよ」

「だから強くなるように名前を付けてえんだけど、あ、今思いついた。「将軍」なんて名前はどうでしょう?強そうでしょ」

 

ご隠居

「お前さん、「将軍」はまずいよ」

「名字が「田中」だろう?「田中将軍」なんて言ったら新しい将軍様を囃しているようで、今の将軍様を馬鹿にしていると思われるだろう」

「ほかにも「将軍が小便垂れやがった」とか「将軍、てめえは馬鹿か」なんてことをお前さんは言うだろう?お役人にしょっ引かれちまうよ」

「強そうな名前なら、「虎」とか「熊」なんて字を名前に入れるといいと思うがね。例えば「虎吉」とか熊太郎とか・・・」

 

八五郎

「ご隠居さん、「虎」じゃあ呼ぶときに「トラ」なんて言って猫みたいで可哀そうだし、それに「熊」も長屋に住んでる熊公に似てガサツになっちまっちゃあ困んだ」

「強くなくてもいいから、いいのはねえかい」

 

ご隠居

「そうだねえ、それじゃあ「亀」や「鶴」なんて字を入れてみてはどうだい」

亀も鶴も長命だ。あやかって長命になるようにね」

 

八五郎

「うーん、ピンとこねえなあ」

「「亀」は長く生きるっつっても生きてるか死んでるかわからねえような野郎だし、「鶴」じゃあお殿様に見初められて妾・・・じゃなく小姓になっちまう」

※「お鶴」という女性が大名の妾になる「妾馬」という落語がある

 

ご隠居

「それなら「寿限無」というのはいかがかな」

「経文の中にでてくる言葉で、めでたいことが永遠に続くという意味だ」

 

八五郎

「「寿限無」・・・そいつはいいですね、おめでてえや」

「他にも何かいいやつはありませんかね。」

 

ご隠居

「「寿限無」のほかは、そうだなあ、「五劫の擦り切れ」「海砂利水魚」「水行末 雲来末 風来末」「食う寝る処に住む処」「藪ら柑子の藪柑子」「パイポ パイポ パイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナー」「長久命の長助」が全部おめでたい言葉だ」

「この中からお前さんが気に入ったものを付けるのがよかろう」

 

八五郎

「へえ、こりゃすげえや。全部よさそうですね」

「気に入ったものを選って付けるなんてケチなことしねえで、全部つけちまいますよ」

「そいじゃご隠居さん、ありがとごぜえやした」

 

 

そうして近所の子供から「寿限無寿限無 五劫のすり切れ 海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末 食う寝るところに住むところ やぶらこうじのぶらこうじ パイポパイポ パイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助くん、一緒に遊ぼう」などと言われながら、すくすく育ちました。

その後、イチローに憧れてプロの野球選手になったはいいが、プロの世界は厳しく、ベンチを温める日が続き、一向に試合に出して貰えない。

そんな時に待ちに待ったチャンスがやってきた。 4対1で負けている9回裏の攻撃、2アウト満塁で一打逆転の大チャンス。

味方のチームも敵のチームも、それぞれの観客も、どうなるどうなると気を張っている折、監督が代打を告げてウグイス嬢が読み上げる。

 

ウグイス嬢

「九番ピッチャー「野村」に代わりまして「寿限無寿限無 五劫のすり切れ 海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末 食う寝るところに住むところ やぶらこうじのぶらこうじ パイポパイポパイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」」

 

両チーム、観客一同

「そこは田中にしておけ」