A CAT'S EDEN

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【創作落語】象のような河馬

おはようございます、発狂ねこです( ゚∀゚)

懲りずに拙い落語話を作りました、お暇な方は読んでみてくださいヽ(´∀`ヽ)

特に必要ではない内容なので前置きはカットします(´▽`)

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本編

 八五郎

「ご隠居さん、いるかい?」

 

ご隠居

「おや八っつぁん、さあさあ、上がっておくれ」

「今日はどんな用向きだね?」

 

八五郎

「いや、特にこれと言って用は無えんですがね」

「近くまで来たもんで、ご隠居さんの顔でも見てね、粗茶でも飲ませて貰おうと思って来ました」

 

ご隠居

「おやおや、八っつぁんは相変わらず罪が無くていいねえ」

「訪ねてきてくれて嬉しいよ、はい、粗茶だがお上がり」

「何か話でも聞かせておくれ、最近何か面白いことはあったかい?」

 

八五郎

「へい、面白えことねえ」

「ああ、そういや昨日熊五郎の野郎とね、動物園なんて行ってきたんですよ」

「自分がクマなんて呼ばれてやがるから、たまには動物に会いてえなんて言いやがって」

 

ご隠居

「おや、動物園とは珍しいね」

「何か珍しい動物は見れたかい?」

 

八五郎

「ああ、見れた見れた、見れましたよ」

「色んな動物が一杯いましたがね、そん中でも珍しいもんがいたんですよ」

 

ご隠居

「ほう、そうかい」

「それは一体何だい?」

 

八五郎

「聞いて驚かねえで下さいよ」

「・・・」

「象のような河馬だ、どうでい」

 

ご隠居

「今、象のような河馬と言ったかね?」

「へえ、私は長いこと生きているがね、未だかつてそんな河馬は見たことも聞いたことも無いねえ、これは面白い」

「八っつぁん、一体どんな河馬なんだい?」

「ひょっとして顔の先に象のように長い鼻が付いているのかい?」

 

八五郎

「馬鹿言っちゃいけませんよ、物を知ってるご隠居らしくねえなあ」

「河馬にそんな長い鼻が付いている訳無えや」

「前を見るのに邪魔で邪魔で仕様が無えじゃねえか」

 

ご隠居

「それはそうだね、その通りだ」

「それじゃあ顔の横に、象のように大きな耳が付いている河馬かい?」

 

八五郎

「いやいやご隠居、そんな大きな耳が河馬に付いてる訳無えじゃねえか」

「泳ぐ時に邪魔で邪魔で仕様が無えじゃねえか」

 

ご隠居

「うーん、そうかね、それもそうだがね」

「それじゃあ聞くがね八っつぁん、お前さんが見たのは一体どんな河馬なんだい?」

 

八五郎

「聞いて驚きなさんなよ」

「・・・」

「灰色い体をした河馬だ」

「どうでい、珍しいだろう」

 

ご隠居

「・・・」

「これはこれは八っつぁん、河馬は全部茶色い体をしているわけじゃないんだ」

「人間だって色が白かったり、黒かったりするのがいるだろう?」

「灰色っていうのも、河馬の普通の色なんだ」

 

八五郎

「へえ、なんでい、そうだったですか、わかりました」

「あっしはてっきり突然変異か遺伝子組換えの珍しい河馬かと思いましたね」

「話したのがご隠居で良かったですよ、危うく恥をかくとこだった」

「熊公にも後で教えてやりますよ」

 

ご隠居

「うんうん、じゃあ他に珍しい動物はいたかね?」

 

八五郎

「そうだねえ、うーん」

「ああ、思い出した、いましたよ、珍しい動物が」

「こいつはご隠居もびっくりしますよ」

 

ご隠居

「ほう、それは楽しみだ」

「一体どんな動物を見たのかね?」

 

八五郎

「聞いて驚かねえで下さいよ」

「・・・」

「河馬のような象だ、どうでい」

 

ご隠居

「・・・」

「八っつぁん、お前さんは本当に罪が無いねえ、羨ましいよ」

「河馬のような象と言ったね」

「象に河馬のように大きな口が付いている訳では無いんだろう?」

 

八五郎

「はい、そんなんじゃ無えですよ」

 

ご隠居

「河馬のように顔の上だけ外に出して長いこと水に潜っている訳でも無いんだろう?」

 

八五郎

「はい、そうでも無えです」

 

ご隠居

「八っつぁん、もう言ってしまうがね」

「象が茶色い色をしていたって言うんだろう」

「象の体が茶色かったって、別に象にとっては普通の色なんだ」

「さっきも言ったがね、人間だって色が白かったり、黒かったり・・・」

 

八五郎

「いやいやいやご隠居、分かっちゃいねえなあ」

「そんな事言う訳無えじゃねえか」

「俺が見たのはそんな象じゃ無えや」

 

ご隠居

「おや、そうかね」

「それじゃあ聞くがね、八っつぁん、お前さんが見たのは一体どんな象なんだい?」

 

八五郎

「へへへ、イソジンでうがいをしていたんです」