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【書籍紹介】鎧光赫赫

今回は「鎧光赫赫(がいこうかっかく)」という漫画について紹介いたします( ゚∀゚)ノ

「久慈光久」先生による短編集で、「ビームコミックス」より出版されております。

久慈光久先生は現在「ヴォルフスムント-狼の口-」という漫画を執筆されていますね。

ちなみに「赫赫」という言葉が分からず調べたのですが、
・赤く輝く様子。熱気をさかんに発する様子
・功名などが著しい様子
という意味であり、勉強になりました。

表紙にイラストが描かれておりますが、作品の中に鎧武者姿の女性が主人公である「鎧光赫赫」という短編集と同じタイトルの話も収録されており、その話の内容に合うこれ以上ない言葉だと思って納得しました。

久慈光久先生がこれまでに描いた作品が8つ収録されている、とてもボリュームのある一冊です。

そのうちの1つは漫画「エマ」などの漫画の作者である森薫先生への取材を行った際の様子を漫画にしたものであり朗らかな雰囲気のものですが、他の7つはすべてシリアスなストーリーで構成されています。

この短編集の作品の中には、「人としての誇り」がテーマに扱われているストーリーやシーンが多く存在します。

そしてヴォルフスムント-狼の口-にも多く見られますが、その大抵は「辱められた過去を持つ女性」であったり「虐げられている農民」であったりなど、いわゆる強い権力を持たない弱者のものです。

そしてその弱者が誇りを守るために命を落とすことさえ厭わず、自分の中の戦いに身を投じるのです。

これは久慈光久先生の作品における一つのコンセプトなのかもしれません。

そのコンセプトと結びつからなのでしょうか、タマゴが先かニワトリが先かという言葉もありますが、戦国時代を背景として描かれているも作品も多く収録されていて、戦国時代好きの自分としてはとてもなじみやすい内容でした。

どの短編も面白かったのですが、個人的に気に入っている話は、「千年草の峠」と本のタイトルである「鎧光赫赫」です。

「千年草の峠」については、織田信長を狙撃して失敗した鉄砲の名手「杉谷善住坊」という実在した人物が主人公となっており、信長に捕えられて生きたまま首から下を埋められ、竹のノコギリで首を引かれる場面にて命乞いを拒否する場面がが印象的でした。

「鎧光赫赫」はほぼ武士VS武士のバトルシーンで構成されている作品ですが、バトルシーンも臨場感がありますが、主人公の女性が最後に相手を打ち取るシーンが鬼気迫っていて好きでした。

ともに信念を貫いた美しさがありますね。

ちなみに表紙のイラストは、最後のコマの次のシーンですね。

久慈光久先生にはこれからもどんどん面白い作品を描いて欲しいです(´▽`)